「桜風堂物語」読了。
書店に勤務する、書店と本を愛する好青年
月原一整と、彼を囲む人々の物語。
ある出来事をきっかけに、全く違う人生を歩むことになる。
でも、それまでの書店員としての成果はもちろん、一整の人柄と情熱から
すべての人が全力で支え続ける…。
まるで一整自身が、さくら舞う春風のように
周りのみんなを幸せにしていく。
一整自身も、そして人々もそれぞれ様々な人生を歩み、いろんな過去を抱えて生きているけど、
それを乗り越えて今を生きている。
書店と本をきっかけにして。
本屋さんと本が好きな人はもちろん、たくさんの人に読んでほしい物語です。
そして、もっと本屋さんを好きになってほしいですね。
私も一整のように
さわやかな風を吹かすことができる書店員になりたいと思います。
サイン本♡
昨日の仕事はイマイチ…
昨日は日勤。
朝から元気に出勤したのですが、全てにおいてパッとしない1日でした。
窓口でのお客様対応、電話の応対、
そしてひとつひとつの業務の完成度も。
こんなリズムの日って、必ずありますよね。
何をやってもダメな日、というか。
こういう日は帰宅後も何もせずに、
早く眠った方が良さそうです。
今日はお休みです。
実は別の用事で朝から大忙しなのですが、
じっくり、ゆったりと過ごしたいと思います。
「はだれ雪」読了。
「はだれ雪」 葉室麟 著 (角川文庫) を読了しました。
あら、図書館の本じゃなかったの?
と、気づかれたあなた、正解です。
図書館で借りた本は前回書いたとおり、
約半分を読んだところで一旦返却。
同じものをまた借りて、続きを読もうと思っていたのですが、
やっぱり"自分のもの"にしたくて、上下巻を購入しちゃいました。
これって散財?
でも、全体に流れる時代小説のしっとりとした雰囲気と、時折見せる、ハラハラドキドキの感覚が素晴らしく、
「買ってよかった」という本になりました。
物語の最終盤は、全く勘解由の姿が見えず、もしや、という思いも抱いてしまいましたが、
最後は期待していたとおりの、そうなってほしい、という具合に幕を閉じてくれたので、ほっとひと安心。
本当に素敵な物語でした。
私は時代小説を多く読んでいるわけではありませんが、いわゆるチャンバラ的なガチャガチャとした物語や、喜劇のような滑稽さで笑いを誘うような物語などが多く存在する中、
葉室麟さんの作品ような、しっとりとした中にも武士(とその妻)の芯の通った生き方が描かれているものが、私にはとてもハマるんですよね。
2年ほど前に葉室さんが亡くなられているため、新作の物語を読むことができないのはとても残念ですが、
少しずつでも既出の作品を手に取っていきたいと思いました。
さぁ、今度は「守り人シリーズ」に戻って、
また次の読書を再開しようと思います。
葉室麟さんの書く凛とした人間像が好き
図書館で借りてから、約2週間が経過しましたが、
やっと半分読みました^^;
いやぁ、読書の時間がなかなかとれなかったのも事実ですが、
文庫に比べて単行本は読むのに時間がかかりますね。
「はだれ雪」は、扇野藩という小藩に流罪となった永井勘解由と、
藩から接待と監視の任についている紗英の物語。
それぞれ、妻と夫と死別するという同じ境遇でもあり、
罪人という立場ではあっても、心に武士としての強い意志・気概を秘めた
勘解由に惹かれていく紗英。
~ 清らかな強さを持って生き抜こうとしている勘解由を支えることこそ、側にいるものの務めだと紗英は思っていた。 ~ (本文より)
しかし、浅野内匠頭の最後の言葉を聴いた勘解由に
仇討ちを誓う赤穂藩士たちと、とりまく時代の大きな流れは
二人の静かな恋路を許さなかった…。
~ たとえ、わずかな間であろうと、勘解由と添えるのであれば命が絶えても悔いることはない、と胸のうちでつぶやいていた。 ~ (本文より)
まだ半分ではありますが、
武士、男子とはこうあるべきという、凛とした勘解由の生きざまと
その人間性に惹かれて、最後まで添い遂げようとする紗英の恋が
時代小説のしっとりとした世界の中に、とても美しく描かれています。
現代ではなかなかそうはいかないところも多いと感じるのですが、
自分もこういう人間でありたい
と思わせる、素敵な物語です。
この後、赤穂四十七士が吉良邸に討ち入るわけですが、
その後、この二人がどのような運命になるのか…。
ハッピーエンド、ではない可能性が高いですが、
この清らかな物語を、最後まで楽しもうと思います。
仕事お休みいただいている明日、図書館に行って
一旦返却した後、再度借りて読むつもりです。
短時間ですが、そこでまた本に囲まれるのが楽しみです。
図書館本「はだれ雪」
今週は中学1年生の長男のテスト期間でした。
めずらしく「図書館で勉強したい」というので、
私の休暇も利用して、久しぶりに近所の町立図書館に行きました。
まぁ、「勉強したい」と言っているのに、
「ダメ」とは私も言えませんもんね。
どの程度テスト勉強に集中するかは疑問ですが…^^;
思いがけない機会ができたので、私も1冊借りてみようと決めました。
鋭意読書中の「守り人シリーズ」は小休止です。
もちろん、途中でやめてしまうことはしませんよ!絶対!
…ということで、
「はだれ雪」(角川書店)を手に取りました。
時代小説は、朝井まかてさんの「眩 くらら」(新潮文庫)以来。
葉室麟さんの作品は「散り椿」(角川文庫)に続いて2作品目です。
久しぶりの単行本で、
果たして期限までの2週間で読み終えることができるか…
でも、もし読み切れなかったらまた借りればいいんですもんね。
江戸時代のしっとりした雰囲気を、
じっくり、ゆっくりと楽しもうと思います。
「神の守り人 下・帰還編」読了。
少し時間がかかりましたが、無事読み終えました。
今回の物語は冒頭から
兄妹に対する、読むに耐えないほどの辛い仕打ちの連続。
望んだわけでもないのに、タルハマヤをその身に招くことができることから、
命を狙われ、また大人たちの欲と陰謀に飲み込まれていく…。
でも、最後の場所に向かうあいだ、
兄はタンダと、妹はバルサと別れて旅をする中で、
人間らしさ、たくましさを身につけ
最後のその瞬間もそのことを忘れずにいることができた。
大虐殺とタルハマヤによる怖ろしい統治世界をギリギリで食い止めることができたのは、
陰でバルサとタンダの力添えがあった、
そして兄妹の強い愛が存在したから、ということなのだと思いました。
最後の一節
〜 闇の中に、花の香りが漂ってきた。
闇の彼方に、ぽつんと、針の穴のように小さな白い光が見えた。
春の香りが、そこからしのびこんできた。淡い紅に揺れるサラユトと、草の匂いだった。
とても長く目を覚まさないアスラが、
おそらく意識を取り戻すであろう、最後のこの部分が
とてもホッとさせました。
闘いで目を負傷しながらも逃亡したシハナが、
これからの物語にどんな形で復活登場してくるのか、しないのか…。
また続きが楽しみになりました(^^)