「天と地の守り人・カンバル王国編」読了。
今回も少し時間がかかってしまいましたが、
「天と地の守り人・カンバル王国編」 上橋菜穂子 著 新潮文庫
を読み終えました。
シリーズの序盤は、バルサやチャグムたちの旅、冒険ストーリー。
いわゆる「個」の物語だったのですが、
それからだんだん国同士の争いに巻き込まれていって、とても大きな、壮大な展開に変わってきました。
今回の第2部もそれに拍車がかかり、ついに大陸をまたいでの大戦争が勃発。
たくましく成長し、一国の指導者にふさわしくなりつつあるチャグムも、人々を守るために、自らその渦中に飛び込んでいきました。
この度の物語を一言で言うとすれば、「リアル」だと思います。
バルサはこれまでのような、無敵、不死身の強さ(強いんですけどね)ではなく、幾度も命の危機にさらされています。
大怪我をして縫合されたり、土だらけ、血だらけになって生死の境をさまよったり…。
本当に死んでしまいそうなところを、ギリギリ助けられることが度々ありました。
チャグムや周りの人たちもそう。
血みどろの闘いの描写は、いつもながら素晴らしいです。
そして、ついに戦争へ。
兵士を率いて戦場に向かうチャグム、草兵として戦地にいるタンダ、彼を探して急行するバルサ…。
大きな渦の中で、それぞれがどう生きるか、どう繋がるのか、
大災害を予感させる異世界の様子はどうなのか。
いよいよ物語は佳境に入って、全く目が離せません。
ラストまで一気に読み進めたいと思います!